一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
明るく笑って礼を言うと、直君は急に真剣な顔になる。
「璃子ちゃん」
「ん?なに?」
名前を呼ばれて問い返したら、「兄貴にはあのこと……いや、なんでもない」と小さく頭を振った。
彼は途中でやめたけれど、私には彼が言おうとしたことがよくわかっていた。
わざと追及せず、「変な直君」とクスッと笑って見せる。
そんな私をじっと見て、彼は軽く手を上げた。
「おやすみ。今日は荷造り大変だったでしょ?ゆっくり休みなよ」
「うん、ありがと。おやすみ」
にこやかに返すと、彼は玄関を後にした。



次の日の夕方、私は赤坂にある匡のマンションの部屋の前にいた。
四十階建ての高級タワーマンションの最上階。
エレベーターもカードキーでタッチしないと動かないし、思わずコンシェルジュさんに聞いちゃったよ。
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