一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
使わなかったら、親父と長谷川がグチグチ文句を言うだろう。
「……仕方がない。家族サービスするか」
璃子は血の繋がりはないが、俺の身内同然。
さっきスーパーで誕生日プレゼントの希望を聞いた時の彼女の顔が忘れられない。
笑っていたけど、どこか寂しそうな目をしていた。
なぜ?
去年は『大人なものがいい』と普段化粧をしないくせに、口紅と香水を強請られた。
今年もそれに近いものを要求されるかと思ったのに、『一日匡を私のものにする券』とか言い出して、訳がわからない。
バスルームへ行ってシャワーを浴び終えると、キッチンの方から豚汁のいい匂いがした。
キッチンに戻ると、鍋をかき混ぜていた璃子が俺の気配に気づいて振り返る。
「いいタイミング。もうすぐ出来るよ」
「なにか手伝うか?」
俺がそう声をかけたら、彼女はキッチンカウンターを指差した。
「じゃあ、ほうれん草の胡麻和えとお刺身、あと小皿テーブルに並べておいて」
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