俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
身体がふわりと浮かび上がる。

誰かが胸の中で宝物のように抱きしめてくれている。


この腕が課長のものだったら、どんなにいいだろう。


きっとこれは夢。

だから素直に自分の願いを口にしよう。


『……課長って誰?』

穏やかな口調で問われる。

甘めの低い声が耳に心地よい。


濱田(はまだ)課長、ずっと片想いしてたの。

でもね、婚約しちゃったのよ。


『……つらいな』


優しく頭を撫でて慰めてくれる。

鼻をくすぐるこの香りはなんだろう。

懐かしくて切ない、泣きたくなるような、そんな香り。

この温もりはとても安心する。


あなたはずっとそばにいてくれる?


『……ああ』


一番欲しかった返事に、心と身体が真綿で優しくくるまれたような気分になった。
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