俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「あの、でも私……会社にもなにも言っていないのですが……」

商業的な写真ではないかもしれない。

だがPR用のモデルだなんて会社に知られたら、お互いに困った事態にならないだろうか。

「大丈夫。沙和の上司には許可をとってあるし、できるだけ顔がはっきりわからないようなカットにするつもりだから」


……さすがは敏腕社長。


何事も手抜かりがない。


それにしても、そんな前から計画されていたなら誰かひと言教えてくれてもいいのに!


もはや、上司と愁さん、どちらに文句を言えばいいのかわからなくなる。


「まあ、俺としては“可愛い妻”を見せびらかしたい気持ちもあるが」

「だ、誰にですか」

「決まってるだろ? お前の片想い相手に」

「どうしてですか?」

なにか企んでいるような口調の愁さんに思わず尋ねる。


なぜ、課長の名前が出てくるのだろう。


「お前は俺のものだって見せつけるため。綺麗なドレス姿もメイクも俺のためのものだって、な」

「なんのために、そんな……」

「面白くないからに決まってるだろ」

眉間に軽く皺を寄せる愁さん。

「俺はお前に一度も“片想い”されてないからな。まあ、これからはそれ以上に俺がお前を想うから、問題はないか」

さらりとなんでもないように、とんでもないセリフを口にする。

しかもひとりで勝手に納得までして。

言われた私は返す言葉が見つからず、ただ熱くなる頬を押さえるだけで精一杯だ。


……まさか課長に嫉妬しているの? そんな必要、まったくないのに。


隠そうとしない彼の独占欲に、ほんの少し心がくすぐったくなった。
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