俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「私もカフェの件は知らなくて、啓希さんに教えてもらったの」

「この場所自体がすべて庭みたいな雰囲気だけど、テラスはやっぱり作りたいわよね。子どもたちを見守る保護者席っていう、沙和ちゃんのアイデアは素敵だもの。そのあたりの調整は愁に任せたいと思うのだけどいいかしら?」

もちろん異論はなかった。

改めて図面をじっと見る。

またひとつ愁さんの仕事を知れて嬉しくなる。


知らぬ間に表情の緩んでいる私を見て、頼子さんが小さく呟く。

「本当に素直よね、愁が可愛がる理由がわかるわ」

「ええ、癒されますね」

ふたりの年長者のセリフに居たたまれなくなったのは言うまでもない。


工事は順調に進み、カフェは段々とかたちが出来上がってきていた。

打ち合わせは綿密に進められ、仕事が忙しい時期はスケジュール調整が難しい日もあったけれど、毎日が充実していてこのうえなく楽しかった。


板谷ホールディングスは変わらず我が社の重要な取引先になっているが、内々に愁さんは我が社の社長や役員の方々に私たちの関係を伝えてくれていた。

我が社の上層部の方々は寝耳に水の出来事に驚いてはいたが、公式に婚約を発表するまでは関係を秘密にすると約束してくれた。

愁さんが私の仕事に理解を示してくれている姿勢が嬉しかった。


将来的には仕事を続けるかどうかはまだ決めかねているが、その件についても愁さんは好きにしていいと優しく言ってくれている。
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