俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「ほら、皆、外でヤキモキしてるから今は少し泣き止んで。そんな可愛い顔を俺以外に見せないで」

過分な甘さを含む声で囁かれて、壊れっぱなしになっている心臓が再び大きな音をたてた。

切ない痛みが胸の中を甘く支配する。



甘い言葉に火照った頬を誤魔化すように瞬きを繰り返す。

嬉しそうに口元を綻ばせた愁さんが私の身体を解放し、指をそっと絡ませる。

ゆっくりとテラス席に続く扉に向かって歩きだし、扉を開け放つと目に眩しい光が飛び込んでくる。


「沙和ちゃん、おめでとう!」


足を踏み出した途端、耳に飛び込んできたのは皆の口々の祝福の言葉と大きな拍手だった。

突然の事態に驚く私に、いたずらっ子のように片眉を上げた愁さんが教えてくれる。


「実は皆に協力してもらったんだ」

「えっ?」

「沙和と出会ったこの庭園でどうしてもプロポーズしたかったから」


毅然とした口調で言い放つ、婚約者の深い想いに胸を打たれる。


全然気がつかなかった……どれだけこの人は私を驚かせて幸せをくれるのだろう。
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