俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「いえ、そんな。私のほうがいつもいろいろ教えていただいていて、すごく楽しいです」

「ううん、城崎さん、沙和ちゃんの知識量に驚いていたわよ。城崎さんの話に出てくる女性が沙和ちゃんだと私が知ったのが最近で、お礼が遅くなってしまってごめんなさい。この美術館、会社で管理担当しているのは私なのよ」

何気なく言われて、これまた驚く。

「えっ、じゃあ頼子さんの勤務先って……」

「板谷ホールディングスなの。沙和ちゃんの会社の近くよね。ここは元々、曾祖父が私財で曾祖母のために建てた場所なのよ。ここは代々板谷の長子が管理しているの。担当といっても実務的な仕事はすべて城崎さんにお任せしている状態なのだけど」

「そうだったんですか……」

「ねえ、沙和ちゃん、図々しいのは承知でお願いしたいことがあるの」

ほんの少し改まった、硬い声で言われる。

「なんですか?」

「この庭園に子どもたちが遊べる場所を作る計画に協力してもらえないかしら?」

「えっ?」

「この間も少し話したけれど、この辺りには緑豊かな広い公園がないから、庭園の一角に子どもたちが遊べる場所を作りたいの。遊具を設置するか、広場にするか、どういうものにするかはまだ検討中なんだけれど」

確かにこの付近には公園が少なく、いつも混雑している。

私自身ゆっくり散歩する場所が欲しいと思ってこの庭園に行きついたくらいなのだから。
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