俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「すごく素敵な計画ですね」

正直な感想を伝えると、ありがとう、と嬉しそうな返事が返ってきた。


「それでね、庭園利用者の反応を尋ねたり、近所の子どもたちの様子を調査したいの。なによりも庭園についてよく理解していて、愛してくれる人に一緒に考えてもらいたいと思ったら、瞬時に沙和ちゃんの顔が浮かんだのよ」

「そんな私なんて、ただの利用者のひとりですし……」

「ううん、沙和ちゃんは幼稚園教諭の資格も持ってるでしょ? それに城崎さんからも信頼されているわ。あの人の人を見る目は確かだし、信頼しているの。私も沙和ちゃんが大好きだし」

「あ、ありがとうございます。でも私よりも適任の方が御社にはいらっしゃるのでは……」

賛辞はありがたいが、板谷ホールディングスには優秀な人材がいくらでもいるだろう。

「ううん、それがなかなか最適な人材がいないの。そもそも城崎さんがほかの人だと納得してくれなくて。城崎さんに一任、という案もあったんだけど、高齢だし庭園の管理と美術館の執務に忙しくてね。私も今は余裕がなくて、計画が行き詰まっているの」

眉間に皺を寄せて話す頼子さんは本当に困窮しているように見えた。

「副業といった正式な仕事とかいうものではないの。空いている時間に手伝ってもらえるだけでいいのよ。沙和ちゃんは仕事が忙しいし、勝手だってわかっているんだけど……お願いできないかしら」

頼子さんが申し訳なさそうに言う。


その提案は願ってもないものだった。

ここまで言ってもらえるなんてとても光栄だ。
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