俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「……なんのために手紙を渡してきた?」

私の質問は無視をして、感情の読み取ない声でさらに問いかけられる。

「謝罪とお礼を板谷様に直接申し上げたいと頼子さんにお願いしたのですが、断られてしまったので、せめて謝罪の手紙を渡してくださいと申し上げたまでです。不快でしょうから、どうぞ廃棄なさってください」


「……社長。到着いたしましたが」

津田さんが落ち着いた様子で声をかける。


いつの間にかエレベーターは地下駐車場に着いていた。

一瞬、手が緩んだのを幸いに、急いで離れる。


こんな人に触れられたくなんてないのに、触れられた場所がじんわりと熱を持つのはなぜ?


「……こちらで失礼いたします」

地下駐車場へと続くエレベーターホールの前で事務的に頭を下げた。

廊下を抜ければすぐに駐車場がある。見送りの役目は果たした。

この人と同じ場所にこれ以上いたくない。


「社長、いい加減になさらないと本気で嫌われますよ」

津田さんが呆れたように言う。


「……わかってる。先に行ってくれ」

なぜかぶっきらぼうに返事をする板谷社長。


「申し訳ありません。ああ見えて社長は浦部様が気になって仕方ないのです。子どもの嫌がらせのようで不愉快でしょうが、話を聞いていただけませんか」

津田さんは片眉を上げて板谷社長に意味深な視線を向けつつ、駐車場に向かった。

告げられた意味がわからず瞬きをする。


どうして私、謝られているの?
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