俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
頭から冷水をかぶせられたように、一気に冷静になっていく。

心の奥底がヒリヒリ痛んでいるが気づかないフリをして口を開く。


「罠にかかってみていかがです? お望みの結果は出ましたか? 頼子さんに確認されても、なお信じられないから、ここに来られたんですよね?」

誤解するなら、邪推するなら、勝手にすればいい。

そんな目的なんてないのだから。

取引先の社長に対する態度ではないと思いつつも、半ばやけぎみに言う。


手紙に込めた感謝とお詫びは一切届かなかったどころか、邪推されて汚らわしいもののように扱われている。

その事実が無性に情けなくて悲しかった。


業務でははっきり意思表示をするように心がけているが、それはあくまで仕事だと割り切っているからだ。

普段の私は自分でも情けなくなるくらい、異性に対してはうまく話せない。


そんなだから課長に告白なんてできなかった。
優しい態度を誤解して期待したなんて思われたくなかった。

結局、私は自分の恋心を守るほうを選んでしまった。


自業自得だ。

大人しく自宅に帰って、ひとりでやけ酒をすればよかった。
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