俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
そんな私を嘲笑うかのように、スマートフォンはメッセージをさらに受信する。

無視をしようにも、別件かもしれないと気になってしまう己の性格が恨めしい。


【時間は変更になるかもしれない。逃げるなよ?】


まるで私の行動を見透かしたような文面に、口に運んだ冷麵の味がわからなくなった。


「本当に大丈夫ですか?」

明らかに挙動不審な私に、由真ちゃんが心配そうな声を再度かけてくれる。

「平気よ、ごめんなさい」


ああもう、どうしよう……。


頼子さんの話を聞いて以来、無意識に板谷社長に思いを馳せている自分がいた。

悩む内容も疑問を感じる点もいつも同じ。

出口の見えない、答えの出ない問いかけばかり。


どうして介抱してくれて、わざわざホテルに一緒に宿泊したの? なぜピアスを頼子さんに託さなかったの? なんで時間が経った今になって会社に来たの?


考えれば考えるほどわからない。


……板谷社長は苦手だ。

大事な取引先というだけでも頭が痛いのに、凄まじく整った外見には恐れさえ覚える。

粗相もできず逃げ場がないように感じてしまう。


……自信に満ちた態度がただ羨ましいだけなのかもしれないけれど。
 
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