キミからの「好き」って、信じていいの?
成海くんと同じことを考えていたと思ったら、ドキドキと胸が高鳴った。



ペンギンを眺めている彼の笑顔は無邪気で、きっと子どものときはこんな笑顔を浮かべていたんだろうな。



ペンギンをしばらく眺めたあと、私たちは昼食を食べるためにファストフードが並んでいるところへと向かった。



「なにか食べたいものある?」



「なんでもいいよ。好き嫌いとかそんなにないから」



私は昔は結構食べられないものが多かったんだけれど、料理を作るようになってからは食べ物一つ一つに感謝するようになって、自然と食べられるようになれた。



料理って不思議だよね。



違う材料を入れれば、あっという間に味や見た目が全然違くなって、まるで魔法みたい。



だから、私は料理を作るときに思うんだ。



食べた人を笑顔にできるような料理が作れますようにって。



成海くんのことを、これからも私の料理で笑顔にできたらいいな。


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