キミからの「好き」って、信じていいの?
「こちらこそ、なんか全然私カメラ見れてないね……」



私はほとんどのポーズでカメラから視線が外れていて。



でも、それは桃舞くんも同じだった。



一枚目は桃舞くんと嬉しそうに微笑み合っていて。



私、桃舞くんに普段こんな顔を見せているんだ。



二枚目は私の顔が真っ赤で、ドキドキしているのが丸わかりなんだけれど桃舞くんは気づいてない……よね?



最後のは、桃舞くんはさすが学校の王子様と謳われるだけあって完璧な笑顔だった。



けれど、私はそんな彼に見惚れているっていう……。



本当につり合ってないなぁ。



ここまで、桃舞くんとの差を見せつけられるとさすがに胸が痛くなった。



「桃音、自然体でめっちゃ可愛いね!俺なんていつも写真を撮るときは緊張しちゃって、あんまり笑えないんだよね」



「え、緊張してるの?こんなに笑顔なのに?」



「まぁね。それに今日は桃音と一緒だったから」



ねぇ、なんで?



私と一緒だとどうして緊張するの?



もしかして、私が緊張していた理由と同じなの?



もちろん、そんなはずがないってわかっているのに、私は自分の妄想を止めることができなかった。


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