キミからの「好き」って、信じていいの?
私の顔は真っ赤になってしまって。



「どうかした、暑い?顔赤くない?」



「ごめんね大丈夫だからっ!次始まるよ」



心配そうに尋ねてくる桃舞くんに、慌てて返事をしてプリクラに集中した。



「じゃあ、最後〜!正面ハグっ!」



「えぇ!? な、どうする……」



私が桃舞くんに、違うポーズにしようかと言おうとしたら、その前に彼が私をギュッと抱きしめてきた。



えっ……!



どうしよう、なんでこんな大胆なことを桃舞くんが……!



「桃音もやってよ」



「う、うん……」



私は恐る恐る彼の背中に手を回した。



この時間が永遠に続けばいいのになぁ。



私はそんなことを思っている自分に驚きつつも、もう自分の気持ちにウソはつけないのかもしれないなぁなんて思った。



「ありがとう。本当に貴重な経験ができたよ」



貴重な経験って、はじめてプリクラを撮ったから?



それとも私とプリクラを撮ること?


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