キミからの「好き」って、信じていいの?
彼女は表面上ではにこにこと笑っていたけれど、いつもなにかにおびえているような、そんな雰囲気を俺は感じた。



なにか声をかけたかったけれど、特に接点もなくただ眺めているだけの日々が続いた。



彼女は友達の立花 真凛さんと仲がいいらしく、俺がみかけるとほぼ毎回一緒にいた。



立花さんと話しているときの姫内さんはとても可愛くて、心から笑っているんだろうなと思って。



見ている俺まで幸せな気持ちになるような、そんな笑顔だった。



けれど、俺は見てしまったんだ。



姫内さんが男子に告白されているシーンを。



もちろん、すぐに立ち去ろうとしたんだけれど足が動かなくなってしまって。



少しだけ、ほんの少しだけのぞいてみると、姫内さんは告白を断っているみたいだった。



ペコペコと頭を下げていて、謙虚なんだなぁと感心して見ていた。


< 156 / 221 >

この作品をシェア

pagetop