キミからの「好き」って、信じていいの?
俺が周りを見ていたら、そこには姫内さんがいて。



姫内さんと俺の視線が交わった。



その瞬間、俺はなにも考えられなくなってしまいドリブルをしていたサッカーボールは突拍子もない方向へ飛んでいってしまった。



慌ててそのボールを追いかけると、偶然なのか奇跡なのか、そのボールは姫内さんの真下に転がっていって。



「ごめん。ぶつからなかった?」



ものすごく緊張しながら、姫内さんに声をかけた。



のどはカラカラに渇き、声がかすれてしまいそうだった。



「大丈夫。ドリブルすごくうまいんだね。まるで魔法使いみたい!」



鈴の音がころがるような可愛らしい声で姫内さんは話した。



あの姫内さんが俺に向かって話している。



そんな事実に俺は感動してしまって。


< 159 / 221 >

この作品をシェア

pagetop