キミからの「好き」って、信じていいの?
「桃音!見てみて!めっちゃカバーが美しいよ……!! これは買うしかないなぁ」



私たちは、あの新しくできた本屋さんに来ていた。



真凛は着いた途端に本に釘づけになっていて、私は真凛の後について行った。



真凛はオススメの本をいろいろ紹介してくれて、私も何冊か好きな作家さんの最新作を手に持っていた。



今日はこれくらいでいいかな。



たくさん買っても持って帰るのが大変になっちゃうし。



私は真凛から少し離れた本棚に行って、話題になっている『あの日みた景色は、キミ色に染まる。』という本を探していた。



この本の内容は、いわゆる青春×胸キュンみたいな感じで女子から圧倒的な支持を得ている作品で、今度映画化もされるらしい。



私の好きそうなあらすじだったから、一度は読んでみたかったんだよね。



あっ、見つけた!と思って本に手を伸ばした瞬間、誰かとその手がぶつかってしまった。



「す、すみませんっ」



慌てて手を引っ込めると、ぶつかった人も謝ってくれた。


< 57 / 221 >

この作品をシェア

pagetop