さよならを教えて 〜Comment te dire adieu〜
「だが、正式に断りに行った際におまえの親父さんから、おまえが家を出て一人暮らししたがっていることを知らされて……」
——おとうさんが……
「『だったら、できれば一緒に住んでくれた方が変な虫がつかなくて安心なんだがな』って言われて……」
茂樹のことをどうしても忘れられないわたしのために……見るに見かねて……
「だから……せめて、おまえの住むマンションに居着くことにした」
そして、茂樹は自らを嘲笑うかのように口の端を歪めた。
「たとえ一緒に暮らそうが、結婚する気もないくせに……おまえを……完全には手放したくなかったんだ」