さよならを教えて 〜Comment te dire adieu〜

無事に一発合格で司法試験を突破したあとは、司法修習生として父と同期の弁護士が所長を務める横浜の菅野(すがの)法律事務所で「修行」した。
企業法務が専門の法律事務所だ。
(なぜか茂樹も一緒だったのだが、今から思えば父の差し金だったのね……遠い目)

そして、わたしは父の法律事務所、茂樹はTOMITAのグループ企業の中でも根幹にあたるTOMITAホールディングスへ入ることになった。

別れたあとも、お互いほかの人と付き合うでもなく、断続的にズルズルと「カラダの関係」はあった。
(えっ、それってもしかしてセフレ扱い?
……たった今、気づいたわ)

けれども、さすがにそのような状況になっては、今度こそ疎遠になること間違いなしだと思った。

——茂樹に……会えなくなる……


なので——

『……家賃とか掛かる費用を折半してくれるって言うなら、考えてあげてもいいわよ?』

と言ってみた。


すると——

『わかった。折半しよう』

と、茂樹はあっさりと了承した。

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