さよならを教えて 〜Comment te dire adieu〜
『ええっ、富多のおうちはどうするの?
おばさんは?わかばちゃんは?』
わたしはあわてて訊いた。
『……おまえが言い出したんだろうが』
茂樹は呆れた顔をしながらも、
『もちろん、富多の家を出る気はないさ。
だから、そうだな……おまえの住む部屋に「おれの部屋」を設けてもらって、臨機応変に行ったり来たりすることになるかな』
と答えた。
——そして、現在に至る。