さよならを教えて 〜Comment te dire adieu〜
うちの事務所が得意とする「企業法務」では、顧客である企業が関わる法務関係全般をサポートすることが求められる。
社外の取引先企業に関する契約法務は言うまでもなく、社内の組織に関する管理体制や昨今の雇用関係等に関する法令遵守、さらに海外企業との取引や契約に関する国際法務など、その範囲は多岐に渡る。
わたしより二歳上の菅野 誠彦弁護士は、我が進藤綜合法律事務所の若手弁護士の中では群を抜いた実力の持ち主で、上記に加えて(ベテラン弁護士ほど敬遠する)社内外のシステム開発や運用に関するIT関連の法務までもが「守備範囲」なのだ。
菅野先生は、わたしと茂樹が司法修習生の頃に選択型実務修習で拠点にしていた横浜の菅野法律事務所の、所長の次男である。
彼は新米だったその頃、父親の事務所で勤務弁護士をしていたのだが、だんだんと力をつけていくにつれ「後継ぎの長男と違って、自分は自由な身だから」と言って、父親の同期が所長をしているうちの事務所に「転職」してきた。
(五大法律事務所と呼ばれるうちの一つだった、っていうこともあるだろう)
ちなみに今のわたしたちはイソ弁ではなく、事務所とはちゃんとパートナー契約を交わしている。
(……まぁ、一番下っ端の「ジュニアパートナー」だけどね)