秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 夏瑛は愕然(がくぜん)とした。

 突然、想定外のことを突きつけられ、これが現実に起きていることだとは、にわかに信じられなかった。

「でも、この音声と写真をどうするかは、原田さんの返事次第だよ。ぼくの言うことを聞いてくれればこんな写真はネガと一緒にすぐ焼き捨てるよ。こっちだって原田さんに嫌われたくはないからさ」

 いつ、写真を撮られたんだろう? 

 必死で記憶をたどってもわからない。

 人の気配は感じたことは一度もなかったのに。

 だが、ふたりの様子はこの写真にはっきり写っている。

 頭が割れそうに痛んだ。

 針金が幾重にも巻き付けられて絞めつけられているのではないかと思うほど。
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