秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「好きだよ、夏瑛。あいつと別れてぼくのものになってくれたら、今すぐ、全部きみに渡してあげる」

「……」

 呆然とする夏瑛に、北川がねっとりとした口調でささやく。

「沢渡に汚されたその唇を、ぼくが清めてあげるね」

 立ち上がって夏瑛の前に来た北川の手が夏瑛の後頭部に回った。
 そして顔を寄せて無理やり口づけようとした。

 夏瑛はそのときようやく声をあげた。

 反射的に言葉が口からほとばしった。

「いやっ、やめて!」

 夏瑛の声を聞いて、北川がにやりと笑った。

 欲望を露わにしたその表情に、夏瑛は吐き気すら覚えた。
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