秘密の恋はアトリエで(後編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 もしここで拒絶したら、本当に写真を公表するだろう。

 北川にはそう思わせる危うさがあった。

 夏瑛は項垂れたまま、呟いた。

「わたし……北川くんと……」

「なんで急にそんな話になるんだ?」

 靱也は眉根を寄せ、探るように夏瑛を見た。

 北川は吐き捨てるように言った。

「ものわかりの悪い人だな。あなたのことはもう嫌いってことですよ」

「お前には訊いてない」

 靭也は北川に鋭い視線を投げ、それから夏瑛をじっと見つめた。

 今すぐ、靱也に駆けよりたい。

 でも、北川の言葉に囚われて、一歩も前に踏み出すことができなかった。

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