他校生
「今日は!斉藤睦美です、噂はかねがね伺っております」
「こ、今日は。石橋紗香です。噂は常々伺っております」
むっちゃんが差し出したみぎてに紗香が自分の右手を重ねた。
Shake hands
Hand shake
どっちが名詞だっけな……
何も出来ず、二人を見ながらそんな事を思っていたら
「あ、えっと…」
「ね、あはは、今日は晴れて良かったですね」
「本当ですね」
二人のやり取りに吹いた。
「リーマンみたいだけど、大丈夫?」
すると、二人も顔を見合せて笑った。
「私のことは、むっちゃんって、呼んで」
「私も、紗香でいいよ」
二人はサラリーマンから女子高生に戻った。
「紗香、凄い可愛いよね」
「え、いい子だね、むっちゃん」
「謙虚さどーした」
「女子高生には自己肯定が必要でしょ」
「ワレワレハ、カワイイ」
「むっちゃん、それ宇宙人」
「いいな、紗香、ふっちーと同中」
「いや、むっちゃん同高じゃん」
「あ、あっちに同中で同高の女、はっけーん!」
二人の、じとっとした視線に
「いや、私は自分の好きな人と同中でも同高でもないっ!」
「本当だ、可哀想、朱里」
「本当、可哀想そうだね、朱里」
二人から哀れまれた上に、仲良くなるダシにも使われたけれど
睨み合われるより、良かった。
先ずは自分が無事に役目を終えた事にホッとした。
再び二人で話し始めたので、私は柵に身を預け、向こうのコートへと目をやった。
距離があるから、気のせいかもしれないけど
彼がふと、こちらへ視線をよこした気がして
手前のコートへと目を逸らした。
むっちゃんと紗香の声が耳に届く。
……あ……
何で目が合ったなんて思った通りんだろう。
横には紗香がいる。
彼がこっちを見たとしたら、それは…
紗香の方を見たに違いなかった。
そう思ったら、向こうのコートへ目を戻す事が出来なくなった。
紗香を見る彼を、見たくはなかったから。
ぐいっと腕で汗を拭うふっちーと目が合って
ふっちーが少し口元を緩め、それに私も軽く手を振った。
二人の視線を感じて
「いや、ほら、目が合ったから!」
って何で言い訳しなきゃならないんだろう。
むっちゃんも紗香も、ふっちーに見えないように、下がってる癖に。
でも、今の私にはその気持ちも…
分かってしまって苦笑いをした。
「ほら、さっちゃん応援しよ!」
コートを指差してそう言った。
「こ、今日は。石橋紗香です。噂は常々伺っております」
むっちゃんが差し出したみぎてに紗香が自分の右手を重ねた。
Shake hands
Hand shake
どっちが名詞だっけな……
何も出来ず、二人を見ながらそんな事を思っていたら
「あ、えっと…」
「ね、あはは、今日は晴れて良かったですね」
「本当ですね」
二人のやり取りに吹いた。
「リーマンみたいだけど、大丈夫?」
すると、二人も顔を見合せて笑った。
「私のことは、むっちゃんって、呼んで」
「私も、紗香でいいよ」
二人はサラリーマンから女子高生に戻った。
「紗香、凄い可愛いよね」
「え、いい子だね、むっちゃん」
「謙虚さどーした」
「女子高生には自己肯定が必要でしょ」
「ワレワレハ、カワイイ」
「むっちゃん、それ宇宙人」
「いいな、紗香、ふっちーと同中」
「いや、むっちゃん同高じゃん」
「あ、あっちに同中で同高の女、はっけーん!」
二人の、じとっとした視線に
「いや、私は自分の好きな人と同中でも同高でもないっ!」
「本当だ、可哀想、朱里」
「本当、可哀想そうだね、朱里」
二人から哀れまれた上に、仲良くなるダシにも使われたけれど
睨み合われるより、良かった。
先ずは自分が無事に役目を終えた事にホッとした。
再び二人で話し始めたので、私は柵に身を預け、向こうのコートへと目をやった。
距離があるから、気のせいかもしれないけど
彼がふと、こちらへ視線をよこした気がして
手前のコートへと目を逸らした。
むっちゃんと紗香の声が耳に届く。
……あ……
何で目が合ったなんて思った通りんだろう。
横には紗香がいる。
彼がこっちを見たとしたら、それは…
紗香の方を見たに違いなかった。
そう思ったら、向こうのコートへ目を戻す事が出来なくなった。
紗香を見る彼を、見たくはなかったから。
ぐいっと腕で汗を拭うふっちーと目が合って
ふっちーが少し口元を緩め、それに私も軽く手を振った。
二人の視線を感じて
「いや、ほら、目が合ったから!」
って何で言い訳しなきゃならないんだろう。
むっちゃんも紗香も、ふっちーに見えないように、下がってる癖に。
でも、今の私にはその気持ちも…
分かってしまって苦笑いをした。
「ほら、さっちゃん応援しよ!」
コートを指差してそう言った。