他校生
「なぁ、昨日…うちの体育館に石橋がいたんだけど、何で?」
……
バレてるよ、紗香ちゃん。
「わ、ほんと、な、何でだろう、ふっしぎぃ!」
……下手すぎる。
「うちの制服着てたけど?」
ふっちーにずいっと詰め寄られ
「あ、朝は“おはよう”じゃないのかなーって思うよ?」
「“おはよう”何で?」
あー…
あー…
脳ミソフル回転で言い訳を……
「K高の制服って可愛いでしょ!?だから着てみたいって頼んだの。えと、紗香もこのセーラー着てみたいって言ってたから、かえっこして…私は街に繰り出して…紗香は、さっちゃんと約束があったみたいで……」
訝しげにふっちーの目は細められたけれど
「俺、どっちでもいいけど。セーラーは体育館の上のギャラリーにいたら、下から見上げたら際どい」
………
「何見てんのよ」
「見えるんだよ!あ…見たい部分もある」
「幻滅………」
「こーこーせーの男なんてそんなんです!いや、それにしても石橋久しぶりだな。相変わらず、可愛い」
……
「え?」
「いや、顔は可愛いだろ、変な奴だけど」
「意外。ふっちー、紗香の事…可愛いって思ってたんだ」
「……いや、まあ、って言うか!先輩が『あの子可愛いー』って」
うわぁ、紗香喜ぶだろうな、ふっちーからの“可愛い”
セットで“変な奴”ついてきたけど。
まあ、“変な奴”になるのは、ふっちーに関してだけだけど……
「ふーん、合同練習、紗香誘って行こうかな」
元々そのつもりだけど、こう言っておけば自然だ。
我ながらウマイ。
「あー…うん、まぁ、好きにして」
微妙な返事。
どのみち行くけど。
イマイチ読めないな、ふっちーも。
「ふっちー、彼女いないよね?」
「な、何だよ急にっ!」
「はは!動揺しすぎ、いるって言ってるようなもんじゃん」
「……まぁいない」
「居ないのか!」
そんなに動揺しておいて。
「お前は」
「全く」
「だよな」
「まだ、入学してそんなに経ってないし!」
「てことは、この学校で見つけんの?」
ふっとあの彼が浮かんだ。
“この学校”ではない彼の姿が。
「普通は同じ学校じゃないの!?クラスメイトとか、同じ部活とか」
「ああ、5月くらいから急にカップル増えるって先輩が言ってたわ。みんなそろそろ動き出すんじゃねぇ?」
「ふっちーも?」
「いや、俺は…」
「あはは!そうか、好きな人はいるんだ」
私の言葉にふっちーが少し赤くなって顔を背けた。
……
バレてるよ、紗香ちゃん。
「わ、ほんと、な、何でだろう、ふっしぎぃ!」
……下手すぎる。
「うちの制服着てたけど?」
ふっちーにずいっと詰め寄られ
「あ、朝は“おはよう”じゃないのかなーって思うよ?」
「“おはよう”何で?」
あー…
あー…
脳ミソフル回転で言い訳を……
「K高の制服って可愛いでしょ!?だから着てみたいって頼んだの。えと、紗香もこのセーラー着てみたいって言ってたから、かえっこして…私は街に繰り出して…紗香は、さっちゃんと約束があったみたいで……」
訝しげにふっちーの目は細められたけれど
「俺、どっちでもいいけど。セーラーは体育館の上のギャラリーにいたら、下から見上げたら際どい」
………
「何見てんのよ」
「見えるんだよ!あ…見たい部分もある」
「幻滅………」
「こーこーせーの男なんてそんなんです!いや、それにしても石橋久しぶりだな。相変わらず、可愛い」
……
「え?」
「いや、顔は可愛いだろ、変な奴だけど」
「意外。ふっちー、紗香の事…可愛いって思ってたんだ」
「……いや、まあ、って言うか!先輩が『あの子可愛いー』って」
うわぁ、紗香喜ぶだろうな、ふっちーからの“可愛い”
セットで“変な奴”ついてきたけど。
まあ、“変な奴”になるのは、ふっちーに関してだけだけど……
「ふーん、合同練習、紗香誘って行こうかな」
元々そのつもりだけど、こう言っておけば自然だ。
我ながらウマイ。
「あー…うん、まぁ、好きにして」
微妙な返事。
どのみち行くけど。
イマイチ読めないな、ふっちーも。
「ふっちー、彼女いないよね?」
「な、何だよ急にっ!」
「はは!動揺しすぎ、いるって言ってるようなもんじゃん」
「……まぁいない」
「居ないのか!」
そんなに動揺しておいて。
「お前は」
「全く」
「だよな」
「まだ、入学してそんなに経ってないし!」
「てことは、この学校で見つけんの?」
ふっとあの彼が浮かんだ。
“この学校”ではない彼の姿が。
「普通は同じ学校じゃないの!?クラスメイトとか、同じ部活とか」
「ああ、5月くらいから急にカップル増えるって先輩が言ってたわ。みんなそろそろ動き出すんじゃねぇ?」
「ふっちーも?」
「いや、俺は…」
「あはは!そうか、好きな人はいるんだ」
私の言葉にふっちーが少し赤くなって顔を背けた。