他校生
「あのねぇ、紗香、1歳2歳差でそんな可愛くなったりセクシーになったりしないからっ!」
「え、じゃあ、もっと年上?……もしかして
人妻!?どうしよう、1回結婚しなきゃ人妻にはなれない!」
さっちゃんの目がビー玉みたいになって
おでこあたりに
“めんどくさい”の文字が浮き上がる頃
「ほら、来年の心配してないで今年の心配しよ、私達も受験とか進路で忙しくなるまえに」
そう言って紗香を正気に戻した。
「あ!そうだ、私女バスに入部したから、付き合うとかそんなに協力は出来ないけど、情報は流せるからね」
さっちゃん言葉に、紗香が目を輝かせた。
「早速だけど、朗報。K高と合同練習あるよ」
「え!?」
「あ、合同練習ってK高だったんだ」
「……知ってたの?」
「今朝、ふっちーに聞いたの。3高で合同練習があるって。それから…ふっちースタメンだって」
「いいなぁ、同じ高校。しかもクラスメイト…やっぱり、制服交換…」
「しなくても、見れるでしょ!?制服だけ変えても変わらないからねっ」
「じゃあ、その合同練習とやら、付き合ってね?」
…あー…もう
「分かったわよ」
渋々頷いた。
「朱里も、格好いい人見つけたら!?バスケ部が3校も集まれば…絶対に豊作だよ!」
……格好いい人…
あのハンカチを貸した彼を思い出した。
格好良かったな、本当に。
同じに高校なら…って紗香の気持ち今なら分かるな。
名前も知らない…あの人。
「とりあえず、さっちゃんを応援する振りして、格好いい人も探しつつふっちーを見に行くツアー!」
「長げぇ」
「ほんと、無駄に長い。“ふっちー”しか見ないくせに」
「私をカムフラージュに使うくせに」
「さっちゃーん!」
抱きつく紗香に、困りながらもさっちゃんが抱きしめ返した。
強めに
「ぐぇ、さっちゃん…ぐるじぃ」
「ところで、今日はふっちー気づいたの?紗香に」
「分かんない。だけど、髪で顔隠してたし…紗香というより、貞子的な印象」
なんだか想像が出来てしまって笑った。
その日の帰り道
いつもよりぼーっとした頭で
何度も思い出した。
絆創膏を貼るのにちょっと触れた、体温の高い手と
笑顔。
「……彼女、いるよね、きっと…」
あんなに格好いいんだし。
人懐こいし。
もう一度…会いたいな。
「え、じゃあ、もっと年上?……もしかして
人妻!?どうしよう、1回結婚しなきゃ人妻にはなれない!」
さっちゃんの目がビー玉みたいになって
おでこあたりに
“めんどくさい”の文字が浮き上がる頃
「ほら、来年の心配してないで今年の心配しよ、私達も受験とか進路で忙しくなるまえに」
そう言って紗香を正気に戻した。
「あ!そうだ、私女バスに入部したから、付き合うとかそんなに協力は出来ないけど、情報は流せるからね」
さっちゃん言葉に、紗香が目を輝かせた。
「早速だけど、朗報。K高と合同練習あるよ」
「え!?」
「あ、合同練習ってK高だったんだ」
「……知ってたの?」
「今朝、ふっちーに聞いたの。3高で合同練習があるって。それから…ふっちースタメンだって」
「いいなぁ、同じ高校。しかもクラスメイト…やっぱり、制服交換…」
「しなくても、見れるでしょ!?制服だけ変えても変わらないからねっ」
「じゃあ、その合同練習とやら、付き合ってね?」
…あー…もう
「分かったわよ」
渋々頷いた。
「朱里も、格好いい人見つけたら!?バスケ部が3校も集まれば…絶対に豊作だよ!」
……格好いい人…
あのハンカチを貸した彼を思い出した。
格好良かったな、本当に。
同じに高校なら…って紗香の気持ち今なら分かるな。
名前も知らない…あの人。
「とりあえず、さっちゃんを応援する振りして、格好いい人も探しつつふっちーを見に行くツアー!」
「長げぇ」
「ほんと、無駄に長い。“ふっちー”しか見ないくせに」
「私をカムフラージュに使うくせに」
「さっちゃーん!」
抱きつく紗香に、困りながらもさっちゃんが抱きしめ返した。
強めに
「ぐぇ、さっちゃん…ぐるじぃ」
「ところで、今日はふっちー気づいたの?紗香に」
「分かんない。だけど、髪で顔隠してたし…紗香というより、貞子的な印象」
なんだか想像が出来てしまって笑った。
その日の帰り道
いつもよりぼーっとした頭で
何度も思い出した。
絆創膏を貼るのにちょっと触れた、体温の高い手と
笑顔。
「……彼女、いるよね、きっと…」
あんなに格好いいんだし。
人懐こいし。
もう一度…会いたいな。