この男、危険人物につき取扱注意!

春樹は持って行き場のないその怒りを、なんとか収めようと頭をガシガシと両手で掻いた。その為、いつも綺麗にセットされていた春樹の髪型は無惨にも嵐が通り去った後の様になっていた。

「っ⁉︎…チーフ如何してるんですか?折角の髪型が…」

「煩い!
髪型なんてどうでも良い!
人の気も知らないで…」

「俺はだな…」

「プップププ…」

突然笑い出した千夏に、怪訝な顔をする春樹だった。

「何が可笑しい?」

「だって、チーフの頭…ハリネズミみたいで…プップップププ…」

「…そ、そんなに可笑しいか?」

千夏は笑いを堪えながら“いえ、可愛いですよ?”と答え再び笑い出した。
春樹は手櫛で髪を直すと、“真面目に聞け!”と机を叩いた。

「…はい。すいません。
あっその前に、モニターのチェックして貰えませんか?」

「後ですると言っただろ?」

「やー…どうしても気になって、仕方なかったんですよ。
アレ、なんとかしてもらわないと、チーフの話が頭に入ってこないと思いますんで?」

春樹は仕方ないと立ち上がり、ランプが点滅してるモニターのチェック始めた。
そのモニターに映されたモノは千夏の所属するNE部1課の部屋だった。

(え?なんでうちの部署…?
何か問題でもあったの?)

その映像は、先程菅原が千夏に対して嫌味を言っていた時のモノで、それに対して警告がなされていたのだ。





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