この男、危険人物につき取扱注意!
(さっきの…でも、なんで?
何も問題無かったはず…
今だって、私が見る限り誰も問題行動はしてない)
この防犯システムは、会社に不利益な行動をされない為のシステム。
所謂、社員の行動を監視する為のものだった。
「なんで…ランプ点いてたんですか?
ウチの部署で会社に不利益になる何か…?」
(誰が何した…?)
「実は少し前から、イジメ防止策にも使ってるんだ」
(イジメ防止…?
確かに、イジメは社会問題にもなってる。
悩んで自殺する者や、病んで会社を辞める人も多いとは知ってる。
でも、うちの部署に限って…)
「何があった。うさぎ?」
「えっ?
あ、別に何も…知る限り問題行動は無かったと…」
「何もじゃないだろ?
システムプログラムを新たに書き換えたのはお前を守る為でもあるんだ。
だから、全て話してくれ」
(私の為…?)
「…でも本当に何も」
「どう見てもこれは問題有るだろ!」
「でも…私は虐められたなんて思ってませんから…大丈夫です。…このくらい」
「お前は自分が分かってない!
いつもひとりで抱え込んで、誰にも相談しようとしないじゃ無いか?
兄貴達の事だってそうだ!
何故俺に相談しなかった⁉︎
相談してれば…もっと早くに救ってやれたのに…」
(お兄ちゃん達の事をチーフに話しても…
ただ溺愛されてるってだけだし…)
「菅原と何があった?」
「…実は…菅原さんにはずっと相談に乗って欲しいと言われてて…
ご家族の事やシフトの件で…
それを私が…」
菅原が春樹の怒りを買わない様に、言葉を選び更にオブラートに包んで話した千夏だが、全く意味がなかった様だった。
「あれほどダメだと言ったのに、まだあいつはそんなこと言ってるのか⁉︎
チームリーダーが夜勤嫌がって、誰が夜勤するんだ⁉︎リーダー下すぞ⁉︎」
(あーやっぱり、そうなっちゃうよね?
だから、菅原さんも私に頼んでくるんだよ…ハァ)
「菅原さんの事は自分でなんとかしますので、あんまり怒らないで下さい。
もう、いい加減仕事に戻らないと、皆んなが困ってると思いますので私行きますね?」