この男、危険人物につき取扱注意!
だが、最近の千夏はこのまま仕事に生きても良いとさえ思い始めていた。
就職活動していた頃とは違って、自分のやりたい事を見つけたと感じていた。
千夏の仕事は、現地でスタッフが取材撮影し社へ送信されてくる物を処理しネット配信する仕事。
ワールドカップや、オリンピックなどの大きな大会では、現場と光ケーブルで繋いでる為数分で配信する。
その為、オリンピックなど大きな大会が近づくと、否応無しに不眠不休となる。
仕事は大変ではあるが、血の滲むような努力をし一分一秒を縮める選手の頑張りを、多くの人達に伝えられる事に千夏は喜びを感じていた。
冷たい視線など気にせずパソコンに向かって仕事してると、デスクの上に置いてある千夏のスマホがバイブして着信を知らせた。
「もしもし?」
『あんた今日暇?』
久しぶりだと言うのに、挨拶も名を名乗るでもなく、いきなり暇かと聞く相手は、千夏の大学時代からの友人の泉本百合である。
百合とは初めてあった時から、どこか懐かしいさを感じる相手で何かと気が合っていた。
社会人になってからも月一で食事に行くほどの仲だが、最近では千夏の仕事が忙しく全く連絡を取っていなかった。その百合が久々に千夏を合コンに誘ってくれたのだ。
「ごめん… タンジョウビだから…」
『えっ⁉︎
まさか、まだ誕生日会してるの?』
「…ゔ…まぁね…」
『あんた、あの兄貴達が居る限り結婚出来ないよ?
先に兄貴達をなんとかしなさい?』
だよね…
私もそう思うよ…
『まぁお互い枯れる前に結婚相手みつけようね!
また連絡するわっ!』と電話は切れてしまった。
たった1分も満たない電話に、千夏は大きな溜息を漏らした。
ハァ…枯れる前に…っか…
このままじゃ無理じゃないかな私…
千夏は、切れてしまったスマホをデスクに置き、再び深い溜息をついてパソコンへと向かった。