この男、危険人物につき取扱注意!
「チーフお呼びですか?」
「間野さんの事だが、病院で点滴打って貰ったら良くなったと今連絡があった。
だから、うさぎは帰っても良いぞ?」
「そうですか、良かった…
えっ⁉︎ まさか間野に仕事させるんですか⁉︎
今日一日、いえ、せめて明日まで休ませてあげて下さい!
私が明日も代わりに出ますから?」
(一時的に良くなったからって、直ぐに仕事に戻すのはどうかと思う…
貧血だって立派な病気、甘く見たら良くないんだから!
少し休ませてあげたい。
1週間とは言わなくとも、せめて2、3日は…)
「心配するな。
間野さんには1週間休みを取ってもらう事にした。
だからお前はもう帰れ!」
「えっ? でも…伊藤さんと…」
「もう何日も家に帰って無いだろ?」
でも…
「心配しなくても間野さんの代わりは、俺の方で手配した」
(チーフが人の手配をした?
今迄、シフトの管理は
私に任せっきりだったのに…?)
木ノ下の言葉に千夏は部署内を見渡すが、誰もが猫の手も借りたい勢いで忙しく動きまわり、電話を取りながらタイピングして、とても手が空いてる者など何処にも居ない。
(こんなに忙しいのに誰が…
週末は休みたい者ばかりで、休みを返上してまで仕事するひとは居ない。
連休を取っているひとを呼び出すにしても、急には捕まらない。
捕まったとしても、すぐ来れない事はシフトを組んだ私自身が分かってる。
ましてや伊藤美咲も居ないのに…)
「手配したって誰です⁉︎
他のチームも、手の空いてる人誰も居ませんよね?
私なら大丈夫です!」
「いや、うさぎは帰れ!
ぼーと、呆けてる奴が居ても邪魔なだけだ!」
(呆けてるって…
そりゃー、何本か電話嶋田君に取ってもらったけど…でも、それは…
そう! それもこれも全てチーフのせいじゃない!
まるで、私達が体の関係をもったみたいに言って…
それに…
あんな物見たら、誰だって考え込むでしょ⁉︎)
「そ、それはチーフが!…」
「俺がなんだ?」
「………」
「言いたい事があるなら聞くぞ?」
(じゃ、ひとの体温感じながらってなに…?
私…チーフと寝たの…?)
「さっきチーフが言った…
いえ、やっぱりなんでもないです。
ただ、伊藤さんの休みを変えたのは、私の判断でした事なので、
私が仕事します‼︎」
千夏はそう言い切ると、そのまま自分の席へと戻って行った。