極上弁護士の耽溺プロポーズ
「光希、大丈夫ー?」

柊一くんが剥いてくれたリンゴを頬張っていると、会社の同期のマリコがお見舞いに来てくれた。

「マリコ、来てくれたんだ」

「こんにちは」

柊一はすぐに立ち上がり、もう一脚の椅子をマリコに勧めた。

マリコは柊一くんを見るなり、声を上擦らせる。

「わっ、こんにちは! はじめまして! 光希と同じ会社で働いてる二宮マリコです!」

「はじめまして。光希の幼なじみの加賀柊一です」

「幼なじみっ?」

マリコの目がキラキラしていて、わたしは思わず頰を緩ませた。

柊一くんに初めて会った人は、そのあまりのかっこよさに、みんな同じような反応をするからだ。

柊一くんは光希の彼氏じゃないの? とか、ほんとは好きなんでしょ? なんて詮索されることもあるけれど、わたしと柊一くんは本当にただの幼なじみだった。

お互いに恋愛感情がないからこそ、こうして長い間友情が続いているのだ。
< 5 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop