極上弁護士の耽溺プロポーズ
巧みな動きで根元からきつく吸い上げられると頭がクラクラした。

「こんなふうにして……光希から……」

「んっ……んぅ……」

その場にへたり込んでしまいそうになるわたしを押しとどめるように、柊一くんが立ったままわたしを壁に押しつけた。

「っ……やっ……。しゅ……、わ、わたしっ……」

どうしていいかわからなくて、どうすることもできなくて、わたしは声を震わせた。

柊一くんを好きだという記憶がない今の自分には、これ以上深い関係に進むことはできない。

「キスだけでいい……。だから、もっと……」

「……んんっ……」

柊一くんに不自由な思いをさせている罪悪感から、わたしは精一杯キスをした。

さっき柊一くんがしたように、柊一くんの口の中に舌を差し込んで必死に絡める。

柊一くんはわたしをぎゅっと抱き締めた。

こんなふうに求められて幸せだと思うのに、どうして何も思い出せないのだろう。

自分が冷たい人間のように思えてたまらなくなった。
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