極上弁護士の耽溺プロポーズ
ぽかんとするわたしに、マリコは上擦った声で、二年だよ……? と繰り返した。

わたしは困惑しながらも、改めて入社してからの月日を頭の中で振り返る。

「一年……だけど?」

真顔で返すと、マリコの頰がありえないくらい強張った。

「じゃ、じゃあ、わたしが今営業部にいることは……?」

「マリコが営業? 何それ、入社してからずっと財務で一緒じゃない」

マリコは営業のほうが向いてそうだけど、と笑い飛ばすと、マリコは一瞬で青ざめる。

「……」

「マリコ?」

「……光希、記憶が……」

声を震わせたマリコに、わたしと柊一くんは瞬きを忘れて固まった。

< 7 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop