白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「ありがとうごさいます」


「十環くん、じゃあね」


 そう告げて
 俺の横を通り過ぎ
 階段を下りていく結愛さん。


『これでサヨナラは嫌』って思った時には
 俺は階段を駆け下り
 結愛さんの手をつかんていた。


「え? 

 十環……くん?」


「あの……

 髪の色を変えて
 この学園に入学しても…… 

 見つけてくれますか? 俺のこと……」


 何言ってんだろ……

 俺……


 すっげー恥ずかしいことを言っているって
 自分でもわかっている。


 だけど……

 どうしても……

 聞きたい……


「うん。
 絶対に見つけるよ。

 だって、十環くんの優しい瞳は
 絶対に忘れないから」


「だったら
 俺も考えてみます。

 この学園に入るかどうか」


 俺の言葉を聞いて
 とびきりの笑顔をくれた結愛さん。


 この腕を離したくない。


 このままずっと
 一緒にいたい。


 そう思いながらも
 俺はそっと
 結愛さんの手を離した。

 そして、一颯の声がするほうに走り出した。

< 50 / 161 >

この作品をシェア

pagetop