白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「ねえ、一颯。
 ちょっと相談なんだけどさ」


「え?
 十環が俺に……相談??

 何? なんでも言って。

 俺、恋愛って片思い経験しかないけど
 本でなら読んだこととかあるし」


「違うよ。

 恋愛相談じゃなくて
 オシャレのこと。

 俺がさ、髪の色を変えるとしたらさ
 どんな色が良いと思う?」


「なんだ、オシャレのことか」なんて
 一瞬ガッカリした表情を見せた一颯。


 でもすぐに
 自信満々な表情に一変した。


「ねえ、十環。

 さっきもらったキャラメル出して」


 ん? 


 キャラメル?


「あ、これだけど」


 ポケットから取り出し、机の上に。

 
「ちょっと一颯
 勝手にキャラメルの
 包み紙を開けないでよ」


「ちょっと開くだけだからさ。

 やっぱり。俺の思った通り。

 良いじゃん、良いじゃん」


「へ?」


「十環、髪の色を変えるなら
 このキャラメル色にしちゃえばいいじゃん。

 十環なら絶対に、似合うから」

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