白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「あ、そうそう。

 十環にもう一個
 聞きたいことがあったんだっけ」


「なんですか?」


「お前さ
 一颯の父親に会ったんだってな」


「はい。 一颯の家に行ったときに」


「その親父さんってさ。

 俺と似てた?」


「へ?」


 総長と一颯のお父さんが……

 似てる?


 あの時の異様な光景を思い出しても
 似ているって思うところが
 見つからない。


「見た目も似ていないし……

 性格は……
 絶対に似ていないし……」


「一颯の親父さんって
 どんな感じだった?」


「え……と……

 普通にしていれば
 仕事ができるダンディ紳士って感じで。

 でも、俺が見た時には、
 一颯の妹さんの足にしがみついて
 ダダをこねていて」


「は?」


「なんか、一颯のお父さんは
 娘のことが好きすぎて
 娘の前だとダメダメパパになるそうで……」


「……そういうことね」


 へ? 

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