白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「俺…… 

 言いたいことズバズバ言うよ」


「は?」


「一颯に気なんて使いたくないし。

 空気読むとかもしないから」


「十環…… それって……」


「だからさ……

 俺も……

 明虹学園に……入ろうかなってこと」


「え?」


 嬉しいはずなのに
 全く想像もしていなかったことに
 鯉みたいに口を開けて
 固まることしかできない。


「一颯はもう
 俺と同じ高校に行きたくないと
 思っている?」


 自信なさげにうつむく十環。


「そんなわけないじゃん。

 俺、すっげー嬉しい。
 十環とさ、同じ高校に行けて」


 俺が微笑みながら言った言葉に
 十環の瞳がみるみる輝きだした。


 そして
 とびきりの笑顔を俺に向けてくれた。
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