白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「俺さ、もう一つ
 一颯に聞きたいことがあったんだ。

 答えたくなかったら
 黙り込んでくれていいから」


「は? 

 聞きたいことってなんだよ?」


「一颯はさ……

 親が再婚して
 新しいお母さんとうまくやれた?」


「なんだよ、いきなり」


「俺さ……

 一緒に暮らしている父さんと母さんの
 本当の子供じゃないんだ。

 父親はさ
 生まれた時にはいなかったし。

 母親はさ
 俺を捨てて家を出た。

 俺が小1の時。

 だからさ……

 母さんのお兄さん夫婦が
 俺の育ての親」



 親に……

 捨てられた?

 十環が小1の時に?


 それは辛かっただろうってことは
 簡単に想像ができる。


 だって俺も小3の時に
 母親が急死しているから。


 でも俺は
 捨てられたわけじゃない。


 それに
 父さんも六花もいてくれた。


 いきなり母親が出て行って
 知らない家族の中で暮らしてきたなんて
 自分がそうなったらと思うとぞっとする。


 辛い思いを
 必死で隠してんだろうなっていう
 十環のゆがんだ表情を見ると
 俺の心も締め付けられる。


 どんな言葉をかけてやれば
 十環の苦しみは消えるんだろうな。

 そんなこと思いながら
 俺は口を開いた。
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