白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

「『今日からあなたの親です』なんて
 いきなり言われても
 親だなんて思えないよな。

 俺はさ
 4歳の時に新しい母さんができたけど
 いろいろ注意されるたびに
 怒鳴ってたからね。

『お前なんか、母親じゃない』って。

 今思うと
 すっげー酷いこと言ってたよな、俺」


「でも、一颯はさ
 その後仲良くなれたんでしょ?」


「まあな。

 俺は言いたいことを
 これでもかってほどぶつけてたし。

 母さんも
 怒って泣きじゃくる俺の話を
 最後まで聞いてくれてたしさ。

 で、ある時言われたわけ。
 
 『一颯のお母さんになるの、やめる』って。

 『母さんじゃなくて
 一颯の友達になろうと思うの』なんて
 言ってきたんだぜ。

 それ聞いたとき、笑っちゃったし。

 そしたらさ
 母さんとの関係が心地よくなってさ
 いつの間にか、素直に
 『母さん』って呼べるようになってた。


 でも俺の場合は
 六花がいてくれたから良かったかもな。

 『お母さんは、お兄ちゃんのお友達なの?』
 って、心配そうに聞いてきてさ。

 『友達じゃなくて、母親に決まってんだろ』
 って答えてたし。

 なに? 

 十環は、一緒に住んでる親とは
 仲良くないわけ?」

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