しあわせ食堂の異世界ご飯6
 実は苦い薬草スープが出てくるかもしれないと想像していたので、手毬寿司はレオンにとってかなり予想外だった。
「おや、もう準備が済んでたのかい。呼んでくれたらよかったのに」
「うわああ、すごく可愛いご飯ですね!」
 レオンと挨拶をしていると、二階にいたエマとシャルルも下りてきた。ふたりとも、テーブルに並べられた手毬寿司に目が釘づけになっている。
「お茶は私が用意してきますね! 座って待っていてください」
「あ、それなら俺がやりますから!」
 厨房に行こうとするシャルルを、レオンが止める。一番の下っ端なので、自分がやらなければと思ったのだろう。
 シャルルは「大丈夫ですよ~」と笑い、レオンを椅子に座らせてしまう。
「美味しい食材の提供をしてくれたんですから、どっしり座ってればいいんです。それに、私のお茶全般の腕前はけっこうなものなんですよ?」
 アリアの侍女になったから、シャルルは紅茶をはじめとしたいろいろな飲み物の淹れ方をマスターし始めていた。
 わからないことや気になることを本で調べつつ、実際の味に関しては料理人であるアリア本人に出来を見てもらったりしていた。
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