しあわせ食堂の異世界ご飯6
 リントがクウを抱き上げると、クウは嬉しそうにその頬をぺろぺろ舐める。さらには肉球の可愛いお手でほっぺたをむにむにするサービスつきだ。
「ああっ、リントさんばっかりずるい! 私も久しぶりのクウちゃんなのに」
 アリアがリントからクウを受け取ると、同じように頬や鼻先をぺろぺろされる。
「わっ、くすぐったい!」
 あははと楽しそうに笑うアリアを見て、リントは数秒思案した後、クウを取り上げてしまう。
「ええっ、なぜ……」
「アリアはやっと俺のものになったんだから、しばらくクウは禁止だ」
「……っ!!」
 リントの言葉に、そういえばクウも雄だったけど……と、アリアは口ごもる。
(こんなに独占欲むき出しのリントさん、私の手には負えないよ……!)
 今まではずっと両想いということすら隠していたのに、その必要がなくなった反動なのか……リントの独占欲がめちゃくちゃ強くなった。
 もちろん嬉しいのだが、それよりも恥ずかしさが勝るというか……。
「大切な相手ができるというのは、とても嬉しいことだな」
「リントさん?」
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