しあわせ食堂の異世界ご飯6
 次は前日から徹夜で並んででも食べたいと考えてしまったルシオは、未定だということに絶望を隠し切れない。
 カミルはといえば、ルシオの前に同じように聞いてきた人が大勢いたので慣れてしまった。
「そんなぁ~……」
 がっくりうなだれるルシオに、カミルは「すみませんね」と苦笑する。
「かなり気合いを入れて準備しないといけないし、そうそうできることでもないんです。申し訳ないですけど、また機会があったときにぜひ」
「そうですね……。私が我儘を言っても仕方がないですし……」
 城に戻るかとルシオが思ったところで、そういえばと口を開く。
「並んでいる人は女性ばかりですね。ケーキだからと言う理由もあるでしょうが、しあわせ食堂のケーキだったら私みたいに男性もきそうなものですけど」
 現に、列に並べず様子を窺っているのは男女半々といったところだ。なのに、列になると女性ばかりになっている。
 ルシオが不思議そうに言うと、カミルが笑いをこらえるように口元を押さえた。
< 65 / 160 >

この作品をシェア

pagetop