しあわせ食堂の異世界ご飯6
「そういえばそうでした!」
「だから、門番さんがいたらみんなに配ってもらえるんじゃないかなって思うの」
 門番の仕事を増やしてしまうのは申し訳ないが、その分ケーキをおまけしてふたつあげようと思っている。

 歩いて王城まで行くと、幸いなことに門のところにいつもの門番が立っていた。そのことにほっと胸を撫でおろし、まずはシャルルが用件を伝えに行ってくれる。
 アリアはその間、少し離れたところで身分の確認と登城の許可を待つ。

 すぐにシャルルが戻ってきたので、一緒に王城内へと向かう。門番には、しばらくしたら訪ねてくるようにとシャルルが伝えてくれている。
「部屋に行ったら、まずは湯あみ。そのあとは全身オイルマッサージをして、その後は髪も整えないといけませんね」
「……頑張るわ」
 王城へきて王女のアリアに戻ると、生活が一変する。
 別に王女でいることが嫌なわけではないのだが、料理をしたい衝動に駆られてしまうのは仕方がないことだ。
(エストレーラにいるときは城の厨房を使ってたから……)
 さすがにジェーロの王城で厨房を貸してくれとは言えないので、こればかりはどうしようもない。
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