二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて番外編『京都の夜』
 かちゃっと音を立ててカップをテーブルに置くと、中村がそばによってきた。

 そして、額縁を壁から外すと「きみにあげる。目標を見つけた記念に」と言って、手渡してくれた。

「えっ、あっ、そ、そんなつもりじゃなくて……」突然のことに戸惑っていると、

「応援したくなるよ。そんなにきらきらした目で純粋に未来を語れる子がそばにいたら。きみが持っていてくれたほうがこの作品も喜ぶよ」と言った。

 だが言ったそばから、決まり悪そうに顎をさすってひとりごちた。

「我ながらこっぱずかしいセリフだな。よく言えたもんだ」
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