ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




「高梨さん」

『・・・・・・・』

「お嬢さん、大丈夫?」



突然、聞こえてきた珍しく心配そうな森村医師の大きな声。

『あっ、ハ、ハイ、ハイ。』

まさか手術中に声をかけられるとは思っていなかったから、さすがの私も驚きを隠せなかった。



「左手、今、つねっているけど、感覚ない?」

『ハイ・・・ないです。』

「素直じゃん。もっと口答えとかしてくるかと期待したのに」

『・・・・・・・・』


手術中に口答えしたりなんかしませんよ!
一応、アナタ、今、現在私の執刀医ですから

私、もうまな板の上の鯉ですからッ///


そして左手の感覚がわからないまま天井を見上げている私。

「もう少し、鈎、強く引いて、術野、もう少し広く取りたいから・・・」

「これぐらいですか?」

「OK!」

感覚がないままの私の左手では手術が順調に進められていたようだった。


「血管は無事だったようだな・・・・」

「よかったですね、センセ!」


安堵の声を漏らす森村医師に看護婦さんらしき女性が合いの手を入れた。


「ああ、FDPも上手く繋げそうだし・・杉野さん、松浦クンに大丈夫そうって連絡してくれる?」

「わっかりました♪」

なんだかゴキゲン気味の森村医師に軽い口調でそう返事をした杉野さんという看護師さん。
私が横たわっているベッドの右側にある電話のほうへ向かい始めた瞬間、手術室内に電話の着信らしき音が鳴り響き始めていた。


「誰だろう、まだ手術中なのに・・・ハイ、手術室5番です。」



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