ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来



「ホイップぅ~、」

『・・・ホイップ?』

「だからぁ~やまもり~・・のせてぇ」

『は?』

「おねがい・・・」


ふたりだけの挙式をしたチャペルが併設されている浜松のホテル。
そこの客室のクイーンサイズベッドで隣に寝ている伶菜の存在。


『お願いされても、今はさすがに・・・・』

「いりえ、さ~ん・・・お・ね・が・いっ」


まさか起きているのか?
それじゃ、今からでも・・・と淡い期待を抱きながら
彼女の顔を覗きこむも目はしっかり閉じたまま。


『やっぱり、寝言なんだな。』


自分ではない男の名前
しかも、俺の悪友である入江さんの名前

それを口にするどころか、やや艶っぽい声でねだるようにお・ね・が・いなんて言うとは
どんな夢を見ているんだ?
何にホイップを山盛り載せるんだ?
それは以前3人で食べたシフォンケーキじゃなくて、もっと違うものなのか?


それとも、ものじゃなくて
カラダとか・・・

ちょっと待て
カラダって
俺って、そういうこと考えたりするのか?!


過去に付き合っていた女性と
ホイップクリームでそんな経験、したこともされたこともないのに
しかも、伶菜の夢の中には入江さんだと?!


『ったく・・・どういう夢なんだよ・・・』


ムラムラにモヤモヤ
どっちも俺にとってあんまり遭遇しない
しかもそれらが入り混じるとか・・そんなのほぼ未経験

今のその状況は
多分、俺自身の問題だけじゃない

目が冴えてしまうようなそういうイヤラシイ考えに至ってしまうのは、彼女にも非があるんだと言いたい

そういう状況に陥るきっかけとなった出来事は
たった数時間前のことだ。



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