ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
伶菜と俺
電車に飛び込もうとしていた人間とそれを引き留めた人間
妊婦と主治医
転院した元患者と自分の実力を疑ってその患者の主治医の立場を降りた元主治医
そして
もう一度兄妹という関係を復活させた男と女
そして昨日、その兄妹という関係を打ち消して、ずっと添い遂げると誓ったチャペル。
そこで伶菜を抱きかかえた俺達が向かったのは、
「うわ~、キレイ・・・夜景が見える・・」
キラキラと輝く夜景を見下ろせる広い窓ガラスが張り巡らされたスイートルーム。
俺の腕の中でうっとりとした声でそう呟いた伶菜に、来てよかったと思った矢先だった。
「入江さん、こんなに凄いトコ用意してくれたんだね・・・」
『あの人らしくないよな・・・こういうの不器用そうだし。』
突然、伶菜の口から出てきた入江さんの名前によって心境は複雑。
「そんな入江さん、なんか、スキだな・・・・」
入江さんの人柄の良さは長い付き合いの中で充分理解している。
だからこそ、彼女のその言葉によってモヤモヤするような気分になる。
こうやって冷静ではいられなくなった俺は夜景を楽しんでいる途中の彼女に
俺の存在を嫌でも意識させてしまおうとキスの雨を降らす。
そんなことをしているうちに
彼女との甘くて、心地いいキスに溺れた俺。
ミイラ取りがミイラになった俺は彼女を抱えたままでも時折キスをしながらベッドルームへ向かう。
その途中、首に回された彼女の腕の力が強まったせいで胸を掴まれたような感覚にも襲われる。
冷静さを失うとか
胸が揺らぐとか
何度もキスして、彼女の気を引きたいとか
『でもスキになったりなんかさせてやらないから・・入江さんのコト。』
『入江さん以外の男に対してもな・・・』
彼女の心を独占したいとか
伶菜じゃなきゃ
こんな俺にはならない
優しく
強く
深く
抱きしめたい
そう思うことも・・・