ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
「高梨さん」
『・・・・』
「高梨さん?」
『・・・・』
「レ・イ・ナ♪」
レ・イ・ナ?
今、レイナって呼んだ?
もしかして
『えっ、ナオ』
ガバッ!
自分の名前を呼んだのはナオフミさんだと思い
手術室の中へ入ってきてくれたんだと勢いよくベッドから起き上がってしまった私。
でも自分の視界の中には
残念ながら自分が期待したその人の姿はなかった。
横とか後ろにいるかと思い、もっと広い範囲にわたり目をキョロキョロさせて彼の姿を探すけれど、私の目に飛び込んできたのは・・・・白い布団、TV付きの照頭台、付き添いの丸椅子。
『あれっ、ココ、手術室じゃない?!』
そしてドアの隙間から緑色の帽子、マスクを着用した人物。
『あっ、来てくれたんだ、ナオフミさ』
でも、その人影は私が会いにきてくれたと期待した人なんかじゃなくて
「なんか、ガッカリって顔してるよな。」
そう言いながら私のほうにゆっくりと近づいてきた
執刀医の森村医師だった。