ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
『祐希、そのお菓子はウチに帰ったらちゃんとあるから、プリン買お!』
「プー?」
犬のおもちゃ付きお菓子を手に取り私に買って欲しいと差し出した彼だったが、彼の大好物であるプリンという単語を耳にした途端、持っていたおもちゃを後方へ放り投げ私の脚にガシッとしがみついていた。
『こらっ、祐希!!!!お店屋さんのモノを放りなげちゃダメでしょ?ちゃんと拾おうね!』
私は脚にしがみついていた彼をゆっくりと引き離し、自分の体を彼の頭の高さまで屈めまがら彼におもちゃを拾うようにやや強い口調で促した。
彼は私のそんな口調に驚いたのか泣きそうな顔を覗かせていた。
そんな彼の顔を見た私は
『もう怒ってないから、おもちゃをちゃんと拾ってママと一緒にお店の人にごめんなさいしようね・・・』
自分の口調が強すぎたかもしれないと反省しながら、彼に柔らかい口ぶりでそう伝え、彼に代わっておもちゃを拾い上げようとした。
その瞬間だった。
「あ、あの・・・コレ・・・」
おもちゃを拾おうと更に体を屈め、前方へ手を伸ばそうとしていた私の頭上から若い女性の声が聞こえてきた。
私はその声が聞こえてきたほうへ顔を向けると
自分の視界には淡い黄色のゴムサンダルを履いた足と白衣の裾らしきモノが入り込んできた。
そして、その白衣を辿るように上方へ視線をずらすと
祐希がさきほど後方へ放り投げたおもちゃを持った
見覚えのある女性の顔も自分の視界に入ってきた。
その顔をじっと見つめた私は
全く身動きを取れなくなっていた。
この人は、間違いなく
美咲さんだ・・・・